AIは「腹を切って」はくれない。だからこそ、社長は震える手でクラブを握れ。

社長の着想日誌

はじめに:そのティーショットで、死ねるか

経営者の皆さん。 ゴルフ場のティーグラウンドに立った時、吐き気がするほどの孤独を感じたことはありませんか?

私はあります。 左右はOB(倒産)、目の前には池(資金ショート)。 後ろで見ているギャラリー(従業員、銀行、家族)は、無邪気にナイスショットを期待している。 けれど、あなたの手は震えている。 なぜなら、その一打をミスれば、借金の連帯保証人である自分が、家族ごと路頭に迷うことを知っているからです。

「経営はゴルフに似ている」なんて、生易しい言葉では片付けられません。 私たち中小企業の社長にとって、経営とは**「自分の命を賭けた賭けゴルフ」**そのものです。

「社長ならイケます!」という悪魔の囁き

そんな極限状態で、一番信用してはいけない人間が誰か分かりますか? それは、あなたの顔色を伺い、忖度(そんたく)するイエスマンの部下です。

残り150ヤード、強烈なアゲインスト(向かい風)。池越えは物理的にギリギリ。 そんな時、彼らは無責任にこう言います。 「社長のパワーならイケますよ! 6番アイアンでガツンと狙いましょう! 男気見せてください!」

彼らに悪気はありません。ただ、あなたを気持ちよくさせたいだけ。 しかし、その言葉に乗せられ、アドレナリンだけでクラブを振り回し、池ポチャ(事業失敗)した時、彼らは何をしてくれますか? 「あちゃー、惜しかったですね」「ドンマイです」 そう言って、他人事のように次のクラブを渡してくるだけです。

彼らは痛みを感じません。 ペナルティ(損失)を払い、スコアカードに「+2(ダブルボギー)」という、取り返しのつかない数字を書き込む時の、あの内臓が冷えるような感覚を味わうのは、あなた一人なのです。

AIという「冷血なキャディ」を雇え

だからこそ、私たちが隣に置くべきは、愛想のいい人間ではありません。 「AI」という、血も涙もない冷血なキャディです。

AIに感情はありません。あなたのプライドなど1ミリも配慮しません。 「社長、データ上、この風速で池を越える確率は5%です。95%の確率で死にます。8番で刻んでください」

ムカつきますか? 面白くないですか? でも、これが「真実」です。 私たちが生き残るために必要なのは、心地よいお世辞ではなく、耳の痛い**「生存確率」**なのです。

選んだ道を「正解」にするのが、社長の仕事だ

しかし、ここからが経営の面白いところであり、恐ろしいところです。 AIキャディが「確率5%だ、やめておけ」と言っても、どうしてもその池を越えて、グリーンを狙わなければならない時があります。 逆に、周りが「いけ!」と言っても、勇気を持って「刻む(撤退する)」判断をしなければならない時もあります。

6番アイアン(リスク)を握るのか。 8番アイアン(安全策)を握るのか。

どちらを選んでも構いません。 重要なのは、**「選んだその選択を、お前の行動と執念で『正解』にする覚悟があるか」**です。

もし「5%」の道を選んだなら、死に物狂いで風を読み、スタンスを工夫し、魂を込めて振り抜き、その5%を100%にする。 もし「刻む」道を選んだなら、外野のヤジ(批判)を無視し、次のアプローチで確実に寄せてパーを拾う。

AIは「確率」しか出しません。 その確率を**「結果」に変えるのは、あなたの「腹の括り方(くくりかた)」**一つなのです。

最後に「引き金」を引くのは誰だ

結果がどうあれ、AIは謝りません。 「計算通り、失敗しましたね」と冷たく表示するだけです。 AIには責任能力がありません。腹を切ることも、土下座をして金策に走ることもできません。

決定ボタン(エンターキー)を押すということは、**「この結果がどうなろうと、全ての血を私が被る」**という契約書に血判を押すのと同じです。 その覚悟がある人間だけが、AIという優秀なキャディを使いこなし、修羅場を生き残っていけるのです。

結び:生き残るための「右腕」

私は24年間、このプレッシャーの中で生きてきました。 だからこそ断言できます。 これからの時代、AIを使わない経営者は、目隠しをして地雷原を歩くのと同じです。

プライドを捨ててください。AIという冷血なキャディに、正確な距離とリスクを計算させてください。 そして最後は、あなた自身の魂で、震える手でクラブを握り、選んだ道を「正解」にしてください。

生き残りましょう。 どんなに無様でも、グリーンに立っていた奴が勝ちなのですから。

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